ある中学校の特別支援学級で行った校外学習の話の2回目です。
校外学習の場所が「新江ノ島水族館」に決まった所まで、お話ししました。
次に、準備に移ります。
「生活単元学習」の時間に、「校外学習を成功させよう」という生活単元を設定し、そこを中心に学習を行いました。
まず、校外学習の目標を話し合いました。
校外学習をどこへ行こうかと話をしているときから、先生方は、この行事を通じて、学級がどんなふうになってほしいか、生徒がどう成長してほしいかを話してきました。
そうですね。この時が、こういう目標を話し合う最初ではありません。学年最初の学級目標や、いろいろな行事の前にも、目標の話し合いはやっていました。そのような流れの中で、生徒たちも、どういう目標を作ればいいか、少しずつ分かってきていたのではないかと思います。
意見を出し合い。まとめたり、くっつけたりして、一つの目標を作りました。
「クラスみんなで助け合って、思いやりのある校外学習」です。
学校では当たり前だと思いますが、何かやるときに、生徒自身が自分たちで目標を立てます。特別支援学級も、同じです。繰り返しますが、いろいろな行事の前などに、いつも目標づくりをしていくと、決めやすくなります。(もちろん、最後には目標に対する評価もします)
通常の学級で取り組む当たり前のことを、特別支援学級でも行っていくのです。
そして、自分たちで立てた目標に向かって、行事を作っていくのです。
ちなみに、この目標ができたということは、「助け合いが少ない」「思いやりがあまり見られない」という、この時のこの特別支援学級の課題があったと言うことです。
次は、ルールの話し合いです。
楽しい行事にするためには、みんなが守らなければならないルールが必要です。こういう話も、普段の生活の中で少しずつしています。そういう中で、ルールを話し合いました。
場面については、教員の方で提示し、その場面で必要なルールは何か、みんなで出し合いました。
○みんなで行動する時
・歩道を広がって歩かない
・たんどく行動をしない
○バス、電車を乗り降りするとき
・他の人に迷惑をかけない
・忘れ物をしない
○水族館に着いてから
・さわがない
・しっかり勉強してくる
○全体を通して
・マナーを守る
・自分勝手をしない
教員になった頃、この「目標」と「ルール」というのが、どうも混乱してしまって、区別できないことがありました。生徒も、混乱し、例えば「マナーを守って行動する」なんていう目標を作ってしまいそうになることもあります。
「目標」は、行事を通してみんなが成長するために目指すこと。
「ルール」は、みんなが楽しく行ってこられるためにやらなければいけないこと。
そんな話を、話し合いの中で、適宜していく必要もありました。
こうして、生徒たちが話し合いながら、行事作りが進んでいきました。