勤務する学校の地域では、2年生で、職場体験学習を行います。
職場体験学習について、地域の先生方に聞いたことがあるのですが、学年の職場体験学習と一緒に特別支援学級も実施する学校、学年とは別に、特別支援学級独自に実施する学校がありました。
学年の職場体験学習と一緒に実施する場合、通常の学級の生徒が行く事業所と同じ場所に行く学校、事業所は特別支援学級独自の場所に行く学校がありました。
通常の学級の生徒が行く事業所と同じ場所に行く場合、通常の学級の生徒と一緒に行く場合と、特別支援学級の生徒だけで行く場合が考えられますが、一般的には通常の学級の生徒と一緒のことが多いでしょう。
その場合、特別支援学級から職員が付き添う場合と付き添わない場合が考えられます。
私は、そういう付き添いをしたことが何度かあります。
付き添いがあれば、普段の学校生活と同じ支援ができるので、大きな問題も起こらないと考えられます。
言葉が悪くなりますが、その子一人でできないような職場でも体験できます。
それが、その生徒にとっては、大切な経験であると、付き添いをしながら思いました。
ただ、これは、そういう付き添いを付ける人的余裕がある場合のみ可能なことです。
付き添いがない場合、その生徒のフォローを、事業所の方や一緒に行く通常の学級の生徒に求めることになってしまいます。
以前、事業所の方から、困るという話をうけ、生徒とじっくり話して、何とか過ごしたことがありましたが、これは問題ですね。
仕事を大胆に二つに分けると、
○言われたことだけやればいい仕事
○自分で考えなければならない仕事
に分けられるように思います。
言われたことだけやればいい仕事。
例えば、ネジを5個ずつ袋詰めするとか、紙袋を組み立てるとか。
こういう仕事をするためには、飽きずに継続して働けることが必要です。
授業中、ひたすら課題に取り組める子なら大丈夫でしょうが、すぐ課題を放り出してしまう子は、難しいかもしれません。
通常の学級の生徒なら、事業所の方の前でさぼることは、あまりないと思いますが、特別支援学級の生徒はそういかないかもしれません。
自分で考えなければならない仕事。
スーパーの店員なら、初めて見る店内を、自分で汚れを探して掃除しなくてはいけないし、自分で陳列を見て、必要な商品を補充しなくてはならない。
保育園や幼稚園なら、園児たちに合わせて遊ばなければならない。園児は、常に実習生に優しいとは限らないし、トラブルも発生するかもしれない。
臨機応変に対応するのは、通常の学級の中学生でも難しいかもしれません。そうすると、特別支援学級の生徒にとっては、大変大きなハードルになると思います。
しかも、職場体験の実習先は、言われたことだけやればいい仕事より、自分で考えなければならない仕事の方が、圧倒的に多いのではないでしょうか。
そう考えると、職場体験学習への参加は、特別支援学級の生徒にとって、充分事前に考えた上で取り組まなければならないことだと言えると思います。
勤務する学校でも、職場体験学習を行いました。
保育園では、言葉や態度など、園児の見本にならないような行為をしてしまう生徒がいました。
福祉作業所では、長い時間ではないのですが、途中で飽きてしまった生徒がいました。
今後の職場体験学習のあり方について、考えさせられました。