新年度が始まりました。
勤務する学校では、特別支援学級にも、十人近くの生徒が入級しました。
とても賑やかです。
さて、入学式の翌日は、どの学校でも、新入生に対して、中学校生活のオリエンテーションやら、自己紹介やら、学校探検やら、そういった学級での活動が、多く行われているのではないでしょうか。
特別支援学級の生徒は、これらの活動を、どこですればいいのでしょうか。
- 初めての学校生活なのだから、慣れるまで、特別支援学級で行う。
- 交流級の一員として、交流級の活動に参加する。
いかがでしょうか?
情緒的な課題があって、通常の学級という大きな集団に参加が難しいのであれば、交流など考えず、まずは学校になれるために、特別支援学級で活動するほうがいいでしょう。
それに対して、これからいくつかの授業を交流させたいと本人や保護者と確認が取れていたり、行事は交流級の一員として参加させたいというのであれば、思い切って、最初から交流するほうがいいのではないかと思います。
特別支援学級の生徒にとっては、少し厳しいかもしれませんので、大人はその様子を、しっかり観察し、疲れているようであれば、すぐに休ませる必要があります。
でも、最初から交流級にいることで、その生徒に「このクラスの一員なんだ」という思いを持たせることができます。
これは、以後の交流をスムーズに行うためには必要なことです。中学校では、できることは交流級で行う、ということを、言葉ではなく、身体で学ぶことができるのです。
交流級の生徒たちにも、同じことが言えます。
クラス替えがあって、周りの顔ぶれがまったく違う状況で、特別支援学級の生徒もいる。
ほかの生徒と同様に、「この特別支援学級の子も、僕と同じクラスの一員なんだ」と、自然に感じられることでしょう。
これは、とても重要なことです。
特別支援学級の生徒が交流級の活動に、これから参加する時、ほかの生徒がそれを気持ちで受け入れていることは、重要な要件となります。
気持ちがないところに、いくら言っても、難しいのです。
だから、最初から交流級の活動に参加することが大切なのです。
「最初から」というところに意味があって、「学校に慣れさせて、次の週から」では、はっきり言って、手遅れです。
次の週には、交流級の生徒たちの意識の「自分のクラスのメンバー」は、もう、できあがっています。そのあとに行っても、もしかすると、「よそ者」と思われるかもしれません。
同じことが、交流級の担任にも言えます。
最初から教室にいれば、「この特別支援学級の子も、うちのクラスの一人なんだ」と、意識することとなり、今後の特別支援学級との連携が、しやすくなります。
もっと言うと、入学式当日から交流はスタートします。
入学式に入場する前、特別支援学級の生徒も交流級に行き、交流級の子たちと並んで式に入場、退場後も交流級で、「学級開き」に参加します。
何事も、初めが肝心です。
もし、交流を大事にしていきたいのであれば、こんなふうに、最初から交流することを考えてみると、いいのではないかと思います。
ですから、入学する前に、保護者や本人と十分に話し合い、どんな中学校生活を送りたいか、確認する必要があるのです。