新年度に向けての特別支援学級の準備

新年度を前に、春休みに入ると、学校中が忙しい。

3月中、修了式から早いうちに行われるのが、教室掃除や補修である。

この期間、校内のいたるところで、金づちの音や電気工具の音が聞こえてくる。作業員さんも、慌ただしく構内を駆け巡ることもある。

 

さて、特別支援学級の教室は、どうだろうか。

一般の教室は、生徒も先生も入れ替わる。

だから、次の生徒のために、掲示物や荷物を残しておいてはいけないし、机や椅子、ロッカー、壁など、破損箇所があってはならない。その上、きちんと綺麗に掃除しておかなくてはならない。

ところが、多くの場合、特別支援学級は先生も生徒もあまり変わらない。

しいて言えば、3年生が卒業した代わりに新入生が入ってくるから、生徒はそういう意味では変わる。先生の中には異動する人もいるかもしれないから、そういう意味でも変わる。だけど、新しい2、3年生は昨年までいた生徒たちだし、先生も、少なくとも何人かは一緒のはずだ。

そうすると、どうせ一緒だから、などという、甘えが出てしまうことがある。

つまり、荷物はそのまま、掲示物もそのまま。

そういうことって、特別支援学級にはよくあるのではないだろうか。

いくつかの小中学校の特別支援学級を歩いてみて、もう何年も前からあるような掲示物や、ロッカーの中の荷物など、多く見かけたことがある。

かくいう私も、そんな年度替りをしたこともあるように思う。

 

さて、今年度、勤務する特別支援学級は、少しだけ春休み中にリニューアルを行った。

私が着任する前からあった、黒板のいろいろな線なり、枠なり、文字を、全て消したのである。

今年度まで、黒板には今日の月日とか、日直の名前とか、授業の予定を書く欄など、さまざまな「書き物」がしてあった。それを全部消したのだ。

ユニバーサルデザインの考え方の中に、教室前面をシンプルにし、生徒の集中力を高めるというのがある。

現実、特別支援学級では、全員が前を向いて授業をするスタイルはあまりないから、教室前面をどうしようがいいように思っていたのだが、特別支援学級をそういう風にすることで、教室前面をシンプルにする。黒板はまっさらにし、前面の掲示物は極力減らす、ということを、校内に発信しようと思ったのだ。

今まで、諸先輩方が書いてきた黒板の字や線を、そういうことで消させていただいた。

 

来年度は、教室をリセットして、迎えようと思う。


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