休校が続く学校現場と9月入学の議論 特別支援学級はどうする

ゴールデンウイークを迎え、現段階での5月6日までの緊急事態宣言をどうするかに、注目が集まっています。すなわち、延長するのか、しないのかということです。

勤務校は、市教委の判断として、国や県の動向を見ながら決定していくとの話になっています。ここでは、緊急事態宣言の動向が、大きく影響するのだろう、予想が立てられます。

勤務校では、週に1回程度の課題受け渡し日が設定されています。先週あたりを見ていると、どの学年も、クラスで時間差を設けながら、生徒に登校させ、そこまでやってきた課題を提出させ、次の課題を配る、ということが行われていました。玄関前や廊下を活用し、教室には入りません。かかる時間も、わずか数分。登校して、3分後には下校していく子もいるくらいです。

 

特別支援学級も、交流するクラスの時間に合わせて登校させ、同時に対応。支援級としての提出物等のやりとりを行なっています。

さて、このように、普段のように教室に座って、視覚を用いながら、じっくり説明することをしない、十分に説明ができないような状況での受け渡しの結果、特別支援学級の生徒によっては、前回の配布物がそのまま連絡帳に挟まったままだったりする場合があります。

普段でさえ、連絡帳を保護者が見た形跡のない日があったり、何日か配布物が連絡帳ファイルに挟まったままにまっていることもあります。

そう考えると、休校期間中に、同様なことが起こることは、十分、想像できます。支援級として課題を出しても、家庭によっては、取り組んでもらえないこともあります。

ふと、通常の学級はどうなのだろうと思うと、比較的課題提出率が良いとの話を聞きました。中学生ですから、自分でしっかり意識して、休校期間中に家庭学習に取り組む子が多いのです。

ここに、特別支援学級と、通常の学級の生徒の違いが、大きく現れています。特別支援学級の生徒に対しては、課題をただ渡すだけでは不十分なのです。学級通信などに説明し、保護者に伝えるようにしていますが、一部の保護者にはそれが伝わりきりません。もちろん、保護者の方には、このコロナの混乱で、様々な事情があるでしょうから、一方的に非難するわけにはいきません。

学校は、どうすべきか。さらなる模索が、続きます。

 

理想として考えたことは、テレビ会議システムの導入です。

毎朝「朝の会」を行い、お互いに元気な様子を確認する。各自が「今日の目標」を発表し合う。授業は、一斉授業というわけにはいきませんが、それぞれが課題に取り組む姿をお互いに見るだけでも、やらなければいけないなということが、視覚を通じて分かります。午後には「帰りの会」を行い、一人一人が「今日の感想」を発表しあいます。そうして、お互いの取り組みを感じ合うことが、子どもたちにとっては、大きな学びになります。人とのつながりの中で学ぶことは、一人で漢字プリントに取り組むよりも、特別支援学級の子どもたちにとっては、とても重要なことなのです。これこそが、特別支援の学びと言えるでしょう。

しかし、現実には、全ての家庭に、テレビ会議ステムを導入する設備が整っていない、という大きな課題があります。

今までそんなに重視していませんでしたが、学校、家庭におけるICT環境の整備は、大変重要なことだったのだと、初めて、痛感しました。

 

 

さて、このような休校の長期化の中、9月入学の議論がわき起こっています。

(それぞれ、yahooニュースから引用)

 

9月入学を唱えている方々は、9月になったらコロナウイルスが確実に終息しているということを、どのような自信を持って言えるのでしょうか。

 

上のyahooニュースで、妹尾氏も言及していますが、9月入学などに取り組むよりも、学校、家庭におけるICT環境の整備などに行政は力を入れてもらったほうがいいのではないかと思います。

もし万が一、コロナが9月に終息しなかったり、来年の冬場に盛り返してまた休校になるようなことがあったとしたら、そういうときに学校、家庭におけるICT環境が整っていたら、現状のような混乱、各所で言われる学力格差の問題は、確実に解決に向かうことができます。

コロナに限らず、今後、さらに未知なるウイルスが、人類を襲うかもしれません。新たな休校が、学校現場に訪れるかもしれません。

目の前の解決だけを考えた、9月入学などという政策よりも、汎用的な解決策をとったほうが、現代社会では望ましいと考えます。

今年度については、国の緊急措置で、単位未履修であっても、修了、卒業できることとし、入試等は休校が不利にならないように試験範囲を減らすなどしていただく。そうして、早急に国が予算立てをして、学校、家庭におけるICT環境の整備を進める。できれば、今年度中に全国に整備するくらいの勢いが必要だと思います。国民に10万円配るくらいの予算があれば、十分に対応できるのではないかと思います。

学校、家庭におけるICT環境の整備は、特別支援学級の現状からも、とても痛切に願うところです。


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