教員免許更新制廃止と教員採用試験

教員免許更新制が廃止になりましたね。

更新該当者は、期限のない旧免許を持っている人については、10年間で一巡するような順繰りで実施されていました。

実は著者は、制度制定のタイミングがよかったのか、更新講習を受ける歳になるのに制度制定から何年か時間があり、更新講習を受けなくてはいけない歳になる少し前に、講習免除者(主幹教諭というやつです)になったので、更新講習は受けていません。だから、あまり、この件について、とやかく言える立場ではなさそうともいえますが、とにかく、一般的にも言われている通り、意味のない施策でしたね。

だいたい教員は、法令で「研究と修養」は義務付けられています。

学校にいると、初年度や◯年度には年次研修が、教育委員会単位で義務付けられています。

他にも、何かの担当としての研修が年に何回も実施され、分掌を複数持っていたら、年に何回も研修を受けなくてはなりません。

何の分掌を持っていないとしても(そんな人はめったにいませんが)、地域ごとの教科研究会は定期的に行われていますし、夏季休業中にはみんなが参加しなくてはいけない研修なんかもあります。

学校内でも校内研究とか実施されていて、年に何回か研究授業があって、研究協議も行われます。学校によっては、毎月行われたり、すべての教員が年に1回は公開授業が義務付けられたりしています。

そういう「行かなくてはいけない研修ややらなくてはいけない研修(=義務付けられた研修)」の他にも、学校には多くの研修や講座のパンフレットが届けられますし、そういう研修や講座の情報は、今やネットを検索すれば山のように見つかります。そういう情報から、先生によっては、自分の興味のある研修や講座に、「身銭を切って」申し込んだりしています。かくいう私も、そういう学校外の講座をたくさん受けてきました。

だから、今更勉強しろとか国に言われる筋合いはもともとないのです。

 

ここまでのことを振り返ってみると、教員免許更新制が廃止されても、多くの義務付けられた研修は残っているんだな、と確認できます。

こういうのが、いわゆる「教員のブラック化」「働きすぎ」と言われる理由の一つです。

時節は、教員採用試験が行われる頃となっています。

試しに、神奈川県の教員採用試験の応募状況を見てみました。

よく見ると、昨年と比べて、全ての校種で倍率が下がっています。

教員の希望者が減っているとよく言われていますが、そのとおりの結果になっています。

年度当初から教員が不足したままスタートしている学校がある、というニュースも一時期話題になりました。

教員免許更新制廃止が、教員希望者を増加させるきっかけになればいいと思いますが、そう簡単にはいかないかもしれません。

教員の「働き方改革」がさらにすすみ、教員の「仕事としての魅力」が、さらに広まっていくといいんだろうなあ、と思います。

基本的に、教員という仕事は、素晴らしい仕事ですから。

 


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