特別支援学級での生活単元学習 買い物から調理実習1

ある中学校の特別支援学級で、生活単元学習を、週の時間割の中に設定して取り組みました。

この時考えたのは、特別支援学級の小集団の中で、集団生活を送るために必要なことを学ぶ機会を持たせようということです。その上に、より自信を持って通常の学級の活動に参加することにつながるだろうし、将来の社会生活にもつながる大切な力が育てられるだろうと、考えました。

生活単元学習では、小集団での活動を中心に行い、集団活動の仕方、協力する体験を学ぶことを中心に単元を設定しました。

ここでは、2年目に行った「買い物学習から調理実習」という「生活単元」を設定しての学習を紹介します。この学習の目的は、買い物、調理のスキルを学ぶことよりも、これらの活動を通じて、協力性と責任感を養う機会とすることを主眼に置きました。小集団における人間関係作りの機会としてとらえたのです。同様の学習は前年にも行っていたので、最初は、2、3年生が中心になってに取り組むことができました。

○買い物の練習

まず取り組んだのは、買い物の練習です。

模型のお金やレジスターを使い、客と店員に別れて、教室の中でロールプレイを行いました。
店員と客のセリフはあらかじめ教員が決めておき、黒板に掲示しておきました。それを読めば、セリフを言うことができます。そのセリフ通りに言うことで、買い物をする時の言葉を練習する機会としました。

生徒たちは最初はセリフ通り、できる生徒はアレンジしながら練習に取り組んでいました。
レジスターの模型が一つしかなかったという理由もあり、やりとりはみんなの前で代表者が順番で行う形となりました。順番待ちの生徒は、級友の練習を見学することで、やり方の習熟を図りました。

まず店員役の生徒はレジスターの前に立ちます。そこへ、客役の生徒がやって来ます。店員は「いらっしゃいませ」と対応します。
店の商品としては百円ショップに売っているような果物などの模型を使いました。それぞれ値段を書いたシールを貼っておきました。客は所持金(これも100円ショップにあった模型のお金です)で買えそうな値段の商品を選び、レジに持って行きます。

客はそこで「おねがいします」と言って、品物を出します。
店員は、値段をいいながらレジ打ちをし(模型のレジはそのまま計算機になっていました)、合計金額をいいます。
客はお金を支払い、店員はお釣りを計算して手渡すのです。計算機が使えない生徒には支援が必要です。お釣りを硬貨から選ぶというのも大切な学習になります。

品物を受け取った時、客も「ありがとうございます」と言うようにしました。このように、硬貨の勉強や買い物のマナーを含めて練習をしました。

みんな楽しく取り組めました。

○調理メニュー決め

そうやって、買い物の練習をしたところで、次は、いよいよ、実際の買い物の準備に移ります。

目的は人間関係づくりです。ですから、これからの活動はグループを単位に行いました。最初に、グループごとに、調理したいメニューを決めました。

一学期は、作業学習の時間に畑で育てたじゃがいもを使ったポテトサラダを基本とすることで、生徒に提案しました。
生徒たちは、インターネットを使って、思い思いにポテトサラダのレシピを調べました。
それを持ち寄ってグループで検討し、一つのレシピに決めました。

各グループ違ったポテトサラダ作りに取り組むこととなりました。レシピを決める際には、自分たちの力でそれが作れるのかどうかも、きちんと考えさせました。

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