特別支援学級と修学旅行

修学旅行シーズンです。

勤務する学校でも、修学旅行が行われました。

特別支援学級の生徒は、修学旅行にどういう形で参加するべきなのでしょうか。

現在勤務する学校のある地域では、二泊三日で、奈良、京都という学校が多いです。

だいたい、一日目が奈良。東大寺と、何か(奈良公園一帯、法隆寺、薬師寺など)。

二日目と三日目が京都市内で、多くが班別行動(バス一日乗車券を使ったり、貸し切りタクシーを使ったり)。

ポイントは、班別行動の班、ホテルでの就寝班(ホテルでの部屋)を、どうするか。つまり、特別支援学級で班を作るのか、交流級の班に入るのか、とういうところです。

1.生徒の個性にあわせる

特別支援は、一人一人の教育的ニーズにあわせて行わなければなりません。修学旅行であっても、同様です。

交流級の生徒と一緒に問題なく活動できる子であれば、交流級の班に入れる方向で、環境調整すべきです。何かあったらいつでも対応できる体制を整えた上で、交流級の班に参加させます。

そういう生徒は、普段の学校生活から交流していると思うので、その延長として行うのです。普段交流してない場合は、そこに問題があるのであって、修学旅行だけ交流を考えるのは、どうかと思います。

生徒の個性にあわせる。

つまり、最初から特別支援学級のみの班を作ったり、すべて交流にしたり、個の違いを無視して一方的に決めるべきではないのではないかと考えます。

この時、交流級の班への参加は、特別支援学級の教員だけが考えても、難しいです。

大切なのは、通常学級の教員、生徒の意識。特別支援学級の生徒も、同じ生徒として、尊重して扱う態度です。そうなるように日常の学校経営が行われなければなりません。管理職の姿勢が重要です。

2.支援とともに交流する

修学旅行は、集団行動を学び、体験する場です。

特別支援学級の生徒が、すべて特別支援学級だけで動くのであっては、通常の学級の生徒と修学旅行に行く意味はありません。その学校の修学旅行に参加するからには、交流するからこそ意義があるのです。

これは、大切な観点です。

だけど、現実的に、交流級の子たちと同じ部屋で寝たり、教員と離れて交流級の子たちと路線バスに乗るには、厳しい生徒もいます。情緒的に、交流級の子たちと長時間活動することを嫌がる子もいるでしょう。

教員が支援する中で、どこまでの交流が可能か、しっかり見極める必要があると思います。

保護者や本人が、教員の思い以上に交流を求めてくるかもしれません。

修学旅行での交流の目的を、しっかり話し合っておくべきです。

そして、教員がいない状況でどんなことが考えられるのか。どこまでだったら、教員が支援できるのか。十分意見交換をしておくことが、大切だと思います。

そのためには、早いうちに保護者や本人の意思を聞き、校内では通常級の教員たちの意見を確認しておく必要があります。

とにかく、修学旅行が単独で存在するのではなく、普段の学校生活での交流の延長ということですね。

ちなみに、今回の修学旅行では、昼間の班行動、就寝班ともに交流で過ごした生徒、班行動はほぼ特別支援学級として交流せずに生活し、できるところだけ交流した生徒、両方いました。個別の対応です

それぞれ、生徒たちは、有意義な三日間を過ごせたようでした。

今回の経験を踏まえ、中学校のよりよい特別支援教育について、さらに考えていきたいと思います。

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