特別支援学級での作業学習と生活単元学習の一体化 ~畑作業・メニュー調べ・買い物学習・調理実習~ その1

今回は、特別支援学級で行う、畑作業と、そこで収穫した作物を使っての調理実習に向けての取り組みについてお話ししたいと思います。

勤務する学校では、特別支援学級の畑があります。

現在は、6月頃サツマイモを植え、11月頃収穫。そして、2月頃じゃがいもを植えて、翌年度の6月頃収穫という、2つの作物を栽培しています。(今年から、畑を3分割し、じゃがいもが連作にならないようにしています)

ということで、ちょうど1学期後半、収穫したじゃがいもを使った調理実習を計画しました。

ちなみに、じゃがいもは昨年より大きく育ってくれました。

昨年との違いを考えてみると、春休み中の世話かな、と思います。

例年じゃがいもを植える頃、年度末で卒業式やらなんやらで、植えたあと十分に子どもたちが世話をする時間の確保ができません。

昨年は、そのまま5月近くまで、ほおっておく状況でした。

今年は反省し、春休み中に、私が、雑草取りと芽かき(種芋から出てくる芽を1、2本残して、あとはとってしまう作業)を行いました。昨年は、この芽かきが5月近くになってしまい、遅すぎたかと反省したのです。

これか奏功したのかどうかは定かではありませんが、今年は昨年よりも大きいイモがとれました。

本には載っていることですが、こういう一つ一つの作業を丁寧に行うことが、栽培には必要なんですね。

さて、以前このブログの「ある中学校の実践」でお話しした「買い物学習から調理実習」の時は、生活単元学習の時間を1週間に複数回とっていて、練習や準備にとれる時間が多くありました。

今年度、勤務する学校では、週にそれぞれ1度の作業学習、生活単元学習くらいしか設定しておらず、また、その時間も違う内容にする必要がでたりなど、十分な時間確保が、以前に比べて難しい現状がありました。

そこで活用したのが、期末テストの裏番組です。

本校特別支援学級では、期末テストとして国語と数学を実施しています。交流教科を受けている生徒は交流のテストも受けることになりますが、特別支援学級としては、9コマあるテスト時間の中で使うのは2コマ、残り7コマは空くということになります。

学校によっては、このテストの裏で、調理実習をやったり、体育館でレクリエーションをしたりという特別日課を組むところもあるようですが(勤務する学校も私が勤務する前はそうでした)、特別支援学級の生徒にもテストというものを経験させたいということと、交流のテストを受ける生徒も多くなってきたという理由から、このような使い方は、ちょっと遠慮しています。

この空いた時間に、まとめて調理実習の準備時間をとりました。

図書室やPCを使ってのメニュー決めです。

じゃがいもを使った料理、という限定から、メニュー決めはちょっと難しいようでした。

やはり、図書資料だけだと限りがあります。

多くの班は、PCを使ったメニュー決めを行っていました。

現在は、インターネット上に、多くのレシピが公開されています。

その様々なレシピから、どう選べばいいのか。

今回の生徒の様子から、いくつかの問題点を挙げてみます。

  1. 電子レンジを使った簡単レシピは確かにいいのですが、簡単すぎると実習がすぐに終わってしまいかねないおそれがあります。
  2. レシピ内の「適量」「少々」という文言が生徒には理解しづらい。主婦なら感覚で分かることが生徒には難しいです。教員が教えれば済むのですが、何でもかんでも教員が教えては、自分たちで調べて作る所から離れてしまうおそれもあります。できれば、「小さじ1」など、具体的に書かれているレシピを探すといいと思います。
  3. ちょっと専門的な調味料や食材など、普段なじみのない言葉が出てくるレシピがある。生徒自身が分からない言葉を調べればいいのですが、それでもうまく分からないものが実際ありました。そういう言葉が出てくるレシピをあえて選ばず、分かりやすい食材、準備しやすい食材が載るレシピを探していくということも、選ぶときに指導すべきことと思います。

「できるだけお金がかからず、時間内で終わりそうなレシピを探そう」と声かけしていたのですが、その言葉以外に、上の3点も、レシピ探しの時に言っておく必要があると思いました。

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