働き方改革を考える ~教員の仕事は平日8時間では終わらない~

「働き方改革」が、叫ばれています。

この時期になると、新年度を見越して、さまざまな改革に向けた提案、提言が、校内でも話し始められました。

やれ、会議をどうするとか。部活をどうするとか。持ち時間をどうするとか。

ひとつ提案があれば、それに対して、違う立場では反論も生まれます。難しいものです。

 

もともと教員の仕事って、平日8時間に収まるものではないんですよね。みなさんご承知の通り。

 

休みの日。明日のテストで必要なプリントを学校においてきてしまった。

おいてきた生徒が悪いんです。休日に学校を開けてその生徒にプリントをとってあげるのは、本来の教員の仕事ではないかもしれません。

だけど、

休みの日。つらい気持ちが募って、先生に聞いてもらいたい。平日の学校だと、他の生徒がいて聞けないから、この休みの日に、聞いてもらいたい。

これへの対応って、「それは教員の仕事じゃない」って、言い切れるのでしょうか。

 

私は教員を目指している頃、「学校の先生になったら、24時間、受け持った子の先生として、必要なときは対応しなくてはいけない」と、友人に話したことを、今でも覚えています。

24時間、受け持っている子どもたちにしてみれば、「先生」は「先生」なんです。5時を過ぎたら、休みの日は、関係ないただのおじさん、とは言えないんです。

教員の仕事を、平日8時間に収めようという考え方、そのものが間違っていますね。

いや、他にもそういう仕事ってあるでしょう。

法律の定めた「平日8時間」という枠に、すべての仕事を収めようとしているこの社会の考え方そのものに、無理があるのです。

 

でも、現代社会は働く人たちの健康を守らなければなりません。ストレスの多い、情報の氾濫した、今までとはまったく違うこの現代社会で、8時間労働の原則は保たなければならないでしょう。

だから、医療、警察、消防など、24時間態勢を必要とする職場は、この8時間労働制を、それぞれのシステムの中で対応しているのです。

学校も同様に、一人の人に24時間背負わせないシステムを構築していく必要があるのでしょう。

医療、警察、消防などのように、複数の人が分担して24時間を対応するような、そういうシステム作りが、あるといいなあ、と思います。結局は、人なんですかね。

 

働き方改革などと言って、勤務時間を少なくしようとか、休みは休みで仕事とは離れて過ごそうとか、もちろんそれも間違いではないです。

でも、8時間のみ先生でいればいいんだなどと、はき違えた人がいたら、ちょっと怖いな、と思います。

さすがに、そんな教員は、いないと思いますが。


Tags:


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です