通常の学級への授業交流をどう考えるか

学年末です。

勤務する学校の支援級では、学年末の面談を実施しています。

面談の内容は、今年度の「個別の指導計画」や評価の説明、来年度の目標、そして、来年度、通常の学級への教科交流をどうするかです。

もともと、私の考えは、通常の学校に入学したのだから、できる所はすすんで交流すべき、というものです。文化祭や体育祭を考えれば、体育や音楽(文化祭では合唱をクラスごと行います)は交流が望ましいのでは、と思っていました。しかし、そうは言いながら、本心として、他の教科の交流は如何なものかという思いがありました。

支援級をはじめてすぐの頃は、実技4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)は、交流すればいいと思っていました。

だけど、支援級の生徒と一緒に交流授業に出てみると、作業は難しいから手助けしなくてはいけないし、教科書は漢字ばかりで、先生の話が中心の授業は、理解が難しい。

そこで、体育と音楽以外の交流は、どうなのかなあ、というのが、最近の考えです。

 

さて、神奈川県は、2020年度から、インクルーシブ教育実践校を全県に展開します。私の勤務校の近くの高校も、インクルーシブ教育推進実践校になります。

だからという訳ではないのでしょうが、今年は、教科交流の希望がとても多いです。

そういう状況が見えていたので、あらかじめ、授業についていけないといけないとか、宿題が一人でやらなければいけないなど、ちょっと厳しい話を交流授業についてしていました。支援級の授業の方が、個別に対応しているからいいですよ、みたいな話もしてきました。

私としては、当たり前だったのですが、どうも、保護者の反応は違ったようです。

 

面談の中で、「交流は勧めていないんですか」みたいなことを言われました。

はっとさせられました。

 

本来、先にも書きましたが、地域の通常の学校にいるのですから、できることは、さかんに交流すべきだというのが、私の基本的な考え方のはずでした。

しかし、それは、教科の話ではなかったのですね。自分で言っておきながら、自分の本心に改めて気づきました。

そうなのです。私は、音楽と体育以外の教科については、交流を勧めていなかったのです。

だって、支援級に来ているということは、認知の困難さを持っているということでしょう。それなら、教科交流は難しい・・・

いや、今の時代は、そういう考えではいけないのかもしれない・・・・

 

インクルーシブ教育が進められています。

そういう時代です。生徒の気持ち、保護者の考えで、様々な交流の形があってもいいのでしょう。

「教科交流は無理だからやめた方がいい」なんて、言ってはいけないんです。(現実、私はこういう言葉は言ったことはないです。だけど、そういうことを言っていると同じような対応をしていたのでしょう)

その生徒にとって何が適切か、本人、保護者の話を聞いて、一人一人しっかり考えていかなくてはいけないんですね。

改めて、そんな基本的なことに気づかされました。


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