特別支援学級の生徒の体育祭参加を考える

勤務する学校で、体育祭が今年も行われました。

特別支援学級の生徒が、通常の学級の生徒の一員として、全く同じように参加するようになって、何年か経過しています。

その間、新しく赴任してきた先生方も増え、以前のように特別支援学級が通常の学級とは別にチームを作って競技に参加したり、独立のレーンで走ったり、応援席も独立していたりといったことは、知らない先生方ばかりとなりました。特別支援学級の生徒が通常の学級の一員として参加することに、何の違和感も持たない雰囲気も、形成されてきたように思います。

今年は、支援がより必要な生徒たちが入学してきました。

その生徒たちを学年種目にどう参加させるかが、大きな課題となりました。

学年は「危ない」という理由で、参加に消極的な姿勢を示してきましたが、特別支援学級側は、なんとか一緒に参加せたいという意思を示しました。

正直に言うと、具体的な話し合いが直前になってしまい、もっと早い時期からの検討、学年との話し合いが必要だったと、痛感しました。方向性が定まったのは、本番の前々日の練習です。この点は大いに反省する点です。

早い時期からの通常の学級との連携は、常に意識しなければいけないことです。

ただ、今回は、通常の学級の担任が、とても積極的に動いていただけました。それと同じく、通常の学級の生徒たちが、その支援が必要な生徒たちを、大きくサポートしてくれたことも、とても素晴らしかったです。

学年種目はうまくいきました。

それだけでなく、開会式から閉会式まで、移動するときは、通常の学級の生徒が常に付き添っていました。

その中で、支援が必要な生徒たちは、普段以上に走り(日常の特別支援学級の生活の中では常にゆっくり歩いて走ったりしない生徒たちです!)、頑張りました。

一日疲れているにも関わらず、最後まで「やる」と言って、閉会式まで参加しました。

練習から本番までの取り組みの中で、この生徒たちは、大きく成長する姿を見せたのです。まさに「子供の中で子供は育つ」のだなあと、改めて感じた一瞬です。

インクルーシブ教育がさかんに進められている現在、もうすでに多くの学校で同様な取り組みが行われていることと思います。

まだ、特別支援学級の生徒を種目に参加させないような学校は、ないものと思います。

ただ本校のように「危険」と言う理由で参加に異を唱える風潮は、どこかに残っているかもしれません。

これは、種目自体の問題なのでしょう。

今年の体育祭の反省には、特別支援学級の生徒を含んですべての生徒が安全に参加できるような種目への変更を、強く主張し、発言していかなくてはいけないと、今、考えているところです。

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