夏休みが始まると中学校は  夏の大会真っ盛り

夏休みが始まりました。

ご存知の通り、生徒は休みでも、先生は休みではありませんが・・・

 

さて、中学校では、運動部の総合体育大会の地区大会が、各地で盛り上がりを見せていることと思います。

運動部は、この総合体育大会の地区大会で勝ち上がると都道府県大会にすすめ、そこで勝ち上がると関東などのブロック大会に、そこでも勝ち進むと全国大会へと、競技によってはつながっています。

3年生はこの大会が、中学校部活動最後の大会であり、多くの生徒にとって、負けは引退を意味しているのです。

文化部でも、吹奏楽とか音楽系の部活動はコンクールがあって、ほとんど運動部と同じ流れを持っているようです。

 

勤務校でも、どこかの運動部が毎日大会に出かけ、職員室に戻ってきた先生方には拍手が沸き起こったりしています。「県大会おめでとう」なんて声も聞かれます。

副校長が職員室の黒板に、どの部が県大会にいったとか、どの部が何位入賞だとか、丁寧に各部活動の戦績を書き出していました。

ふだん、部活動は教育課程外だとか、働き方改革だとか、教員の負担軽減だとか言っているのに、「部活動一色」の雰囲気に、学校が包まれています。

校長や副校長はカメラをもって、大会会場に出向きます。

もちろんそれは、生徒の活躍する場面を撮影し、どこかで知らせるものですから、生徒や保護者にとっても、ありがたいことです。

こういう様子を見るにつけ、「学校にとって部活動は大切な存在なんだ」と、改めて感じます。

 

いま問題になっているのは、「教員の働きすぎ」でしょうか。

ふだんの日も、早朝や放課後は部活動の練習があり、部活動が終わり生徒が帰った18時以降に、ようやく本務の教材研究なり、試験の採点なり、欠席者への連絡なり、保護者の相談への対応なり、教員間の打ち合わせをしなくてはならない。

ようやく1学期が終わったと思ったら、暑さの中、連日の部活動指導に出かけなければならない。

こういう部活動の実態が、「働きすぎ」の槍玉に挙げられています。

 

でも、そういう「部活動頑張れ」っていう雰囲気は、学校が、管理職が、作っているんじゃないですか?

生徒が活躍する場面だから、それを評価するのは、教育上、何ら問題のないことです。というか、望ましいことですよ、生徒の活躍を評価するのだから。

だから、そういう「部活頑張れ」も、間違っていない、いや正しい。

でも、部活をやりたくないと考えている先生は案外たくさんいる。

いや、その前に、部活動入部率って、生徒の100%じゃないですよ。勤務校では7,80%くらいだったと思います。

入賞するのは、ほんの一握りの生徒に過ぎないんです。つまり、一部の生徒の活躍を、大きく褒め称えているっていうことなのでしょうか。

公教育が、何をしているのでしょうか。

 

 

部活動をやりがいにしている先生の存在があり、一方で、部活動をやりたくないという先生の存在がある現状で、まずは、すべての先生が部活動を実質的にやらざるを得ないというシステムは変えなければなりません。

対処策は、人を増やす。教員を増やすということしかないでしょう。

 

生徒だって今でも認められていますが、部活動に入らない自由があります(地域によって差があるのかもしれませんが)。全員が入っているわけではない部活動なのだから、学校から切り離すべきであると、考えることもできます。

部活動の地域移行は、この方向性に近いかもしれません。

 

目の前の生徒や教員が暑い中頑張っていれば、管理職が応援するのは当たり前です。管理職がいけないわけではありません。しかし、「働き方改革」を考えると、少々考えさせられます。

 

 

ちなみに、支援が必要な子どもたちの中でも、部活を頑張った子どもたちもいました。通常級の子どもたちと一緒に、頑張る姿は、とても素晴らしかったです。

中には、途中で退部してしまった子どもたちもいました。子ども同士の人間関係がやはり難かしいことがありました。

部活に入らなかった子も、養護学校高等部に入ったら部活をやるんだと希望している子に、とてもたくさん出会いました。部活は彼らの「あこがれ」なんだと、すごく感じました。

 

支援が必要な子に限らず、部活動は子どもたちにとって大きな問題なんです。

大人は、この問題を、しっかり考えなくてはいけません。

そして、この問題にしっかり答えを出さなければ、教員志望者の減少に歯止めがかかりません。


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